太陽光の見積の見方のキモは「どんな工法で見積もっているか」です。
見た目の価格を安くしたいがために「将来トラブルの原因になるかもしれない工法」を選んでいる業者もいます。
太陽光発電システムの設置でいちばん差がでるのは「太陽光モジュールの取付工法」です。
まずは設置したい屋根の状況を大まかでも知っておかねば見積を比較することはできません。
まずは屋根材の違いです。
住宅の屋根材は大きく分けて…
- 瓦屋根
- スレート屋根
- 金属屋根
- 陸屋根(コンクリートの躯体に防水処理したもの)
- アスファルトシングル
以上の5つがございます。
さらにそれぞれを分類しますと…
瓦屋根
和瓦 … 日本古来の瓦らしい瓦
平板瓦 … 和瓦のような凹凸のない平たい見た目の瓦
49瓦 … 主に北陸エリアで使われているサイズの大きめな瓦
瓦屋根の勾配は基本的に4寸以上となります。寸勾配については記事最後に説明します。
太陽光パネルの設置で選ぶ工法は可能な限り「支持瓦工法」になります。
スレート屋根
横一文字葺 … コロニアル、フルベストなどの商品名
小割一文字 … グラッサシリーズ など
スレート屋根の勾配は基本的に3寸以上となります。寸勾配については記事最後に解説します。
太陽光パネルの設置ではスレートに下穴を空け、野地板にビスを打ち込む工法しかありません。
築年数による劣化の調査が必須になります。
金属屋根
横葺き(よこぶき)屋根 … 水の流れる方向に対して横方向に成型されている屋根材
縦葺き(たてぶき)屋根 … 水の流れる方向に平行方向に成型されている屋根材
折板(せっぱん)屋根 … 主に工場、店舗、ガレージなどに採用されている波の大きな屋根材
金属屋根の勾配は、縦葺きなら1寸以上、横葺きなら3寸以上となります。寸勾配については記事の最後に解説します。
太陽光パネルの設置工法として、屋根材自体に穴を空ける工法は可能な限り避けるべきべきです。掴み金具工法で設置しましょう。
金属瓦
金属瓦 … 金属を折り曲げて成型した瓦屋根に見える屋根材(一部、瓦の形状自体を金属で成型したものもあります)
金属瓦屋根の勾配は基本的に2.5寸以上になります。寸勾配については記事の最後に解説します。
太陽光の架台を設置するためには、金属瓦ごと野地板までビスを打ち込むしかありません。その金属瓦メーカーが太陽光設置工法を用意していないか調べてみましょう。
陸屋根(りくやね、ろくやね)
塗膜防水仕様 … ウレタン系、FRP系の塗膜を形成
シート防水仕様 … 塩ビ系、ゴム系のシートを貼る
複合防水仕様 … アスファルトを塗る、貼る
防水面の下にある構造体にアンカーを打ち込むことになりますので、その厚みが重要になります。また、コンクリートパネルの継ぎ目にアンカーを打たないように注意が必要になります。
アスファルトシングル
ガラス基材にアスファルトを浸透させ表面に石粒を吹き付けてあります。錆びない・割れない屋根材です。アメリカでは100年前から使われている。
太陽光パネルを設置するときの注意点は「スレート屋根」と同じになります。
寸勾配について
たとえば4寸勾配なら、屋根が軒先方向に10寸(1尺)進むごとに4寸下がる(上がる)ということです。メートル法にそのまま変換できます。10m進んだら4m下がる屋根が「4寸勾配」になります。
勾配が強ければ水の切れがよくなります。水の切れが悪いと継ぎ目、スキマから水が浸入していく可能性が出てきます。
形状としてそもそも水切れのよい金属縦葺きなら勾配に頼らなくてもよいので勾配は緩くなります。
形状として水の侵入が起こりやすい瓦屋根やスレート、金属横葺きは十分な勾配が必要になります。
ちなみに10寸勾配のことを矩勾配(かねこうばい)といいます。10m進むと10m下がる…ということは傾斜が45度もあるということです。
以上が屋根の種類になります。
それぞれの工法の紹介はこちらです↓
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