太陽光発電システムの設置工事で最も失敗してはならないものは「屋根」という重要な構造体に改造を加えることになる「太陽電池モジュールの取付工事」です。
太陽電池モジュール(太陽光パネルのこと)お勧め工法 結論
- 瓦屋根 …「支持瓦工法」
- スレート屋根 … 「メーカー純正スレート工法」
- 金属屋根 … キャッチ金具などと呼ばれる「掴み金具工法」
- 陸屋根(コンクリート躯体に防水処理したもの)…「メーカー純正陸屋根工法」
- アスファルトシングル … 「メーカー純正アスファルトシングル工法」
これが結論です。
ひとつずつ紹介しますね。
「支持瓦工法」
瓦をところどころアルミ製の「支持瓦」という瓦に交換します。この支持瓦自体は屋根の野地板にビスで打ち込むことになりますが、他の瓦屋根用工法に比べて最も雨漏りしにくい工法だと思います。他の工法は瓦自体に穴を空けたりするので、抵抗を感じる方も多いのが現実です。
この支持瓦工法を選べる瓦材(メーカー、型番)は決まっています。
大きく分けて…和瓦で2種類、洋瓦(平板瓦)で2種類、北陸地方にある「49瓦」の5種類があり、49瓦に対応できるのは私の知る限りシャープのみとなっています。
この記事にて詳しく紹介しています。
瓦屋根への太陽光設置は「支持瓦工法」をおすすめしますhttps://www.taiyoumitsumori.com/shijikawara/
「メーカー純正スレート工法」
スレート屋根材に直に金具を取り付けます。屋根の野地板までビスを打ち込みます。この工法しか選べないのが現実です。
まずはスレート材に下穴を空けます。一気にビスを打ち込むとビスの太さに圧迫されてスレート自体が割れてしまう恐れがあるためです。下穴には止水のために「ブチルゴム系コーキング材」などを充填してからビスを打ち込んでいきます。各メーカー、それぞれの純正工法を開発しており、正しく施工すれば雨漏りの心配はありません。ただし、その信頼性は設置工事を行う前のスレート材の状態に大きく依存してしまいます。
スレート屋根への太陽光は築年数が重要になってきます。このスレート葺きは5~10年ほどで表面の塗料の劣化が進み、太陽光を設置する前に塗装を塗りなおすことをおすすめする場合があります。
塗装面の心配だけではありません。10年を超えてくると工事のために歩いただけでパリパリとヒビ割れが起こったりする場合があるのです。このヒビは塗装が割れているのではなくスレート材そのものが割れてしまうのです。
このスレート屋根材は昔、「石綿」(アスベスト)が使用されていたこともあり、一時、社会問題化したことがありました。
その後に製造されたものはアスベストが使えないこともあり、従来の強度が出ていない時期がありました。これが改善されるまでの数年間に製造されたスレート材が葺かれている住宅は、太陽光設置を断念することをおすすめすることがあります。
※現在のスレート屋根は重さ、強度、デザイン性、施工性のバランスのよい優れた屋根材の1つです。昔のアスベスト入りのものも環境問題を別にすれば優れた屋根材です。過渡期に製造された商品に太陽光設置が難しいものがあるということです。
「掴み金具工法」
金属屋根のハゼ部分(重ね合わされた部分)を金具で掴みこんで効かせます。屋根材に一切穴が空かないところが最大の利点です。
金属屋根材メーカーが専用金具を出しているときは必ずそれを使いましょう。
汎用の金具も多数出てきています。たとえば「縦葺き」の屋根なら、だいたいのもに使える…というものです。
だいたいの屋根材に合う…ということは、それらすべてにジャストフィットしていないということです。なんとなくは合っている、効いているようだから大丈夫だろう…という状態で20年以上使用することになります。
屋根材の型番を住宅メーカーに聞いてみましょう。専用金具があるなら100%その金具一択です。
「メーカー純正陸屋根工法」
コンクリート躯体にケミカルアンカー等で架台を固定します。屋根コンクリートの厚み(スラブ厚)が一定以上ないと取り付けができません。ほかには「置くだけ」の工法もありますが現時点ではアンカー固定をおすすめします。
アンカー工法ではコンクリート住宅は屋根の構造に注意が必要です。
「アンカーを打ち込んではいけない部分」を避けて施工しなければなりません。コンクリート住宅はコンクリート製のパネルを現地で組み上げる方式を採用している箇所がありますので、新築時の住宅会社を経由して太陽光を設置することを強くお勧めします。
代表的な例が「大成建設ハウジングのPalcon」があります。
大成建設では一棟一棟の新築時のデータがきちんと管理されているので、大成建設経由で工事を行いましょう。最も安心な仕上がりになります。
「メーカー純正アスファルトシングル工法」(というかスレート工法)
基本、純正スレート工法と同じです。屋根の野地板までビスを打込み、金具を固定します。
スレート工法と同じですので、注意点は同じです。築年数と塗装の状態のチェックは必須になります。
以上がおすすめの工法です。
ただ一点。金属屋根は「掴み金具工法」一択です! 屋根材の名前を調べて専用金具が存在していないかを確認してください。汎用金具しかないのなら仕方がないのですが、20年以上使うかなぐですので、効きすぎは屋根材を痛めてサビを早めますし、効きが甘い場合は激甚な台風が心配になります。
※最近、「30年に一度」とか「50年に一度」などと呼ばれる台風災害が毎年のように起こるようになりました。そんな時代ですからますます「太陽光設置の成否は太陽電池の取付工法で90%決まる」のです。
あなたのおうちの屋根の種類は? 太陽光販売業者は適正な取り付け工法で見積もりを出してきてくれるでしょうか?
選んでいる工法が正しいものかどうか…。まずは見積もりを取ってみましょう↓
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