先日、改造?を行った「SIM2MAXドライバー」ですが、総重量を変えないで改造することを前提としておりました。
でも考えてみると、なぜ総重量を変えてはいけないと思ったのか…。
各メーカー、各シリーズでヘッドの重さはバラバラだと思っているのですが、もしドライバーヘッド重量の「最適解」があるのなら、全メーカーがその重量に合わせてきているはずですよね?
…ということで、ヘッド重量の最適解を探ってみようと考えました。
ルールで決まっている数値が出発点に
まずはルールで決まっているものは当然、各メーカーが遵守しているはずですから、これらを出発点にしたいと思います。
①反発係数 … COR 0.83以下
②ボール重量 … 約45.93g以下
※じつは、これくらいしかルールに定められていないのですね。
慣性モーメントなどのルール規定値は、今回は無視することとしました。最大飛距離を理論上出し得るヘッド重量を考えるときには、とりあえず放っておいてかまわないかと…。
ルールではないが計算に必要な「ミート率」
計算にはミート率を決めておく必要があります。
我々アマチュアはせいぜい「1.4」程度がナイスショットと言われていますが、理論上の最大飛距離を狙う上では、プロが出すような「1.5」を使いたいと思います。素人でも1000打に1球くらいは1.5が出ることもあるのでは?という淡い期待(笑)
計算式に代入してみる
飛距離の計算式に数値を入れていきます。
計算式は…
ボール初速 =
((ヘッド重量(1 + 反発係数)/ ヘッド重量 + ボール重量))× ヘッドスピード
この式を使いますが、先ほどの条件を入れて整理をしますと…
ヘッド重量(1 + 反発係数)/ ヘッド重量 + ボール重量 = 1.5
このように変換できます。
愛用の「スリクソン Z-STAR XV」の重量は、45.9gだった
ここで、愛用している「スリクソン Z-STAR XV」(実力に合わない贅沢品)の重量を測ってみました…。
結果は、45.9グラムでした。
これを先ほどの式に入れてみると…
ヘッド重量(1 + 反発係数)/ ヘッド重量 + 45.9 = 1.5
反発係数が0.83が上限なので、これを入れると…
ヘッド重量(1+0.83)/ ヘッド重量 + 45.9 = 1.5
この式を変換していきますが、「ヘッド重量」を「H」と表記して見やすくします。
1.83H / H+45.9 = 1.5
1.83H = 1.5(H+45.9)
1.83H = 1.5H + 68.85
1.83H - 1.5H = 68.85
0.33H = 68.85
H = 208.636364g
…ということで、重さ45.9gのボールを打つのにルール上で最適なヘッド重量は208.63gだということがわかりました。
では、私のSIM2MAXのヘッド重量で考えると…
前回の改造後の重量が193.9gとなっていた「SIM2MAXドライバー」ですが、どこまでをヘッド重量と考えるか…という問題が出てきました。
テーラーメイドのドライバーは、いわゆる「カチャカチャ式」でヘッドを最適なポジションに回すことができるわけですが、カチャカチャ機能を持つ「スリーブ」という部品も、ヘッドのホーゼル部に最終的に収まるという考えからいくと、「ヘッド重量に加算すべき」と思います。
テーラーメイドのスリーブの重さはおおよそ7gとのこと
さっそくネットでスリーブ単体の重さを調べてみました。
すると…、総じて「7グラム」という記載が多いのでは思います。
ですので、ここでは7gを加算してみます。
結果。SIM2MAXドライバーのヘッド重量は200.9gと考える
結果、合計で200.9gと考えられます。
最適解の208.63gまで、7.73g足りません。(厳密に考えればスリーブに差し込まれているシャフトの先っぽの重さも1~2グラムはあるでしょうけど)
では、鉛を貼るなどして7.73gの重量アップを狙うべきなのでしょうか?
私は、このままでいいのかな?と思います。なぜなら、このヘッド重量の最適解なんぞは各メーカーはとっくに検証済みでしょう。そのうえで実際に購入し使用するゴルファーたちの体力や打点特性なども総合的に考慮された結果がこの「約 201g」だろうと推察できるからです。
そもそも7gも重くすれば、ヘッドスピードに影響を与えるのは必至と考えねばなりません。
物理の法則から考えれば、「運動エネルギーは速度の2乗に比例する」ので、最適なヘッド重量を求めるあまりヘッドスピードが落ちてしまうのは絶対に避けなければならないわけです。
※さらに言えば、7グラムの鉛を貼る場所によっては「慣性モーメント」のルール上限を超えてしまう可能性がゼロとは言えません。最近の「…MAX」という名前のドライバーはノーマル状態ですでにかなりの高慣性モーメントになっているということなので。
とりあえず、マン振りでぶっ叩いて来ます!
長々とヘッド重量の考察をしてみましたが、結局は改造は打ち止め…ということになりました。
まずはコースに出て、マン振りでぶっ叩いてみないとわかりませんので、こんどのラウンドが楽しみです。
SIM2MAXを改造したお話 ↓
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